2017-2024 (C)インテリアとしてののれん
のれんは本来、禅寺ですだれの隙間を覆うための風よけとして使われていたものでした。
現在においては、屋号を染め抜いて店舗の軒先や出入り口に垂らしている布のことです。
店舗では店名を表示する看板のような役割に加え、
開店の印としてのれんを出すということがなされています。
また営業時間を過ぎ閉店する際にのれんを仕舞うことで、店がまだ空いているのか、
もう閉店なのかを伝えることも可能です。
のれんという言葉は屋号の書かれた布そのものを表す以外にも、店の信用や格式という意味合いでも使われます。
その位に暖簾は店の顔とも言える存在で、店舗にとって大切な意味合いをもつ暖簾が
用いられている慣用句も様々です。
例えば「暖簾を下ろす」というと店舗の閉店を表しますが、この他にも廃業する、
店じまいをするという意味合いでも用いられます。
更に、飲食店で修行を積んだ人に同じ屋号を名乗る許可をする「のれんを分ける」という慣用句も有名です。
暖簾というと3連のものをイメージしやすいですが、他にも長めで2連のものや布一枚で切れ込みを入れずに
日よけに用いるものなど形状は様々です。
用途も店舗以外に、家庭や舞台の楽屋で目隠しとして用いられる場合もある他、
地域のお祭りで用いられることもあります。
店舗においても軒先に垂らすだけでなく、短めのものをカウンターにかける、
商品のディスプレイに用いる等その用途は多様です。
一般的な店舗の軒先に垂れているものは、半暖簾と呼ばれています。
これは本来の長さが160cmなのに対し、半のれんは56.7cmと半分よりやや短めの長さとなっているためです。
これは飲食店でよく用いられている一方で、本来の長さのものは目隠しや日よけに用いられています。
一方で布一枚に屋号が染め抜かれているものは日よけの役割に加え、屋号を大きく提示する看板としても利用可能です。
のれんというとこれらのように布製が多くなっていますが、他にも縄でできた縄のれんや
ビーズやガラス玉を繋いで作ったものもあります。